Web3.0になるとどんな未来になるのか教えて!
という疑問にお答えします。
本記事では、
本記事でお伝えすること
- Web3.0とは?(Web3.0の概要)
- Web3.0が実現する未来
- Web3.0を体感できるサービスの紹介
を解説します。
Web3.0を要約すると、
これまで情報を独占してきた
GAFAM などの巨大企業に対して、
テクノロジーを活用した分散管理により、
情報の主権を民主化しようという概念。
のことです。
この記事では、このWeb3.0という新しい概念について、初心者にもわかるように「専門用語なし」で「身近な具体例を交え」ながら解説します。
Web3.0を理解したい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
本記事では「Web3.0」に統一した表記を用います。
Web3.0とは?(Web3.0の概要)
実は「Web3.0」 はまだ登場して間もない概念であるため、明確な定義はされていません。
しかし、あえてかんたんに表現するのであれば「分散型インターネットの時代における "概念" または "思想" 」と言えます。
Google や Apple といった巨大企業が権力を持つ現代は、便利な反面、特定企業に個人情報が握られることによるプライバシーの問題やセキュリティのリスクがあります。
そのような課題を、ブロックチェーン技術などを用いて解決すると言われているのが 「Web3.0」なのです。
「Web3.0」を理解するには、それ以前の「Web1.0」と「Web2.0」を理解することが有効です。
そこでここからは、Web1.0からWeb3.0までを順を追って解説していきます!
Web1.0とは?
Web1.0 とは、「情報の発信者と閲覧者が固定されていた時代」のことです。
WWW(= World Wide Web )が普及し、個人がウェブサイトを作って情報を発信できるようになった時代です。
パソコンが普及して「ホームページ」や「ウェブサイト」、「電子メール」が浸透した頃ですね!
この当時は、 html を利用したテキストサイトが主体で、画像・動画コンテンツは少なく、コミュニケーションの手段はメールが中心でした。
ホームページやウェブサイトを制作できる人は、専門スキルのある、ほんの一部の人や企業に限られていました。
そのため、情報発信者は少数に固定化され、情報の発信者と閲覧者との双方向なやり取りなどほとんどできなかった時代です。
Web2.0とは?
Web1.0 に代わってやって来たのが Web2.0 です。
ユーザーがより自由にインターネットを使えるようになり、「情報の発信者と閲覧者の "双方向" なコミュニケーションが可能になった時代」がWeb2.0です。
Web2.0 時代を象徴するのは、 Twitter や YouTube 、Facebook 、Instagram などの SNS と、スマートフォン(スマホ)です。
スマホを使ってSNSで誰もが気軽に発信者になることができ、画像や動画コンテンツのシェアもかんたんにできるようになりました。
Web2.0では、個人がかんたんに欲しい情報にアクセスでき、多くの人と簡単に繋れる便利さがあります。
しかし便利さというメリットがある反面、近年はいくつかの大きな問題点やデメリットが顕在化してきています。
Web2.0の問題点①:個人情報が取得されてしまう
Web2.0の問題の1つは、個人情報が勝手に取得されてしまうことです。
わたしたち個人がインターネットを利用するたび、サービスの提供者である Google や Twitter など特定の企業がわたしたちの行動履歴などの情報を取得しています。
Web2.0の現在に生きるわたしたちは、インターネットを利用するたびに、個人データを特定企業に握られてしまいます。
同時にこれは、特定企業が情報漏洩事件を起こせば、あなたの個人データが流出するリスクを抱えているとも言えます。
個人のプライバシー管理と情報漏洩リスクの高さが、Web2.0の大きな問題点のひとつです。
Web2.0の問題点②:企業の権力が強すぎる
もう1つのWeb2.0の大きな問題は、企業の権力が強すぎることです。
現代において、個人の情報を取得している企業、とりわけSNSのプラットフォーム運営各社の権力・権限は絶大です。
たとえば、どんなに素晴らしいコンテンツを発信している人でも、その利用するプラットフォーム企業の意向に沿わなければ、利用を停止させられる(アカウントをバンされる)ことがあります。
もっとも有名な事例は、アメリカ前大統領のドナルド・トランプ氏のTwitterアカウントが永久凍結された事件です。
※参照:トランプ氏の公式Twitterアカウント(@realDonaldTrump)
2021年1月に凍結されて以降、いまだに凍結解除はされていません。 ※2022年6月時点
これと同じことは、文章記事を発信するブロガーや、画像や動画作品をウェブ上で発表するクリエイターにも起こり得ます。
それまで自分が積み上げてきた記事や作品の蓄積が、運営会社の一存で、一瞬にしてデータを抹消されてしまう恐れがあるというわけです。
情報発信者やクリエイターにとって、やさしくない仕組みですね(泣)。
以上が、Web2.0がはらむ問題点やデメリットです。
これらの問題の原因は、特定の企業が情報を扱う権利を握っている「中央集権性」の高さだとされています。
Web3.0とは?
この Web 2.0 の中央集権性による問題を解消すると期待されているのが、Web3.0です。
Web3.0のキーワードは「分散型」と「非中央集権」です。
そして、それを実現する基盤となるのは「ブロックチェーン技術」です。
ブロックチェーン技術は、現在ビットコインなどの暗号通貨で広く使われています。
データの改ざんや複製、不正アクセスが行われた場合、他のユーザーとの差異が発生するため不正がすぐに検出できるメリットがあります。
ブロックチェーンを利用すれば、ユーザー同士がネットワーク上で互いのデータをチェックしあうことで、プラットフォーム企業などの管理者がいなくても、さまざまな情報や価値(お金など資産性のあるもの)をやり取りできます。
これにより、特定企業が個人情報を握ることによるプライバシーの問題や情報漏洩のリスク、強力過ぎる権力の発動をおさえることができるのです。
情報管理の方法と権限が「分散型」になり、管理企業がいない「非中央集権」の世界では、資本の大小や組織人数の過多が大きな力を持たない世界になります。
これは5大企業 GAFAM (Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)により独占されている権力を、わたしたち個人に取り戻させる時代とも言えます。
Web3.0が実現する未来
ここからは、Web3.0のメリットを詳しく解説しながら、Web3.0が実現する未来を予想します。
セキュリティレベルが向上
1つ目のメリットは、セキュリティレベルが向上することです。
ブロックチェーン技術が使用された分散型ネットワークでは、取引情報などが暗号化され、さらにそれが複数のユーザーで共有されます。
特定の企業・サーバーに情報が集約されている Web2.0 では、そのサーバーが攻撃にあったりハッキングされたりすると、大量の個人情報が流出するリスクがありました。
しかし、情報が分散されている Web3.0では、そのような恐れがありません。
国境の制限が撤廃
2つ目のメリットは、国境の制限が撤廃されることです。
つまり国籍や住む場所、人種の制限なくサービスを利用できるということです。
日本では誰しもが自由にインターネットを利用できますが、世界を見るとそうではない国もあります。
たとえば中国には、グレート・ファイアウォールと呼ばれる検閲システムが存在し、政府により Google や Twitter、YouTube といったサイトへのアクセスが禁止されています。
しかし、 Web3(Web3.0)ではそのような制限が機能しません。
ブロックチェーンに加わることに条件や権限は設けられておらず、かつ中央集権的なサーバーが存在しないため、誰でも自由に希望するサービスへのアクセスできるようになります。
個人のデータを自己管理
3つ目のメリットは、個人情報や行動履歴のデータを自己管理できることです。
普段、 ウェブサイトや SNS を閲覧していると「自分に興味のある広告ばかりが表示される」と気になったことがあるのではないでしょうか。
便利さを感じる人もいるかもしれませんが、気持ち悪い、煩わしいと感じる人も多いかもしれません。
これは、企業がサービスの対価として個人情報を収集しているために起きることです。
たとえば Google は検索エンジンを無料で提供する代わりに、検索履歴や行動履歴といった個人情報を取得しています。
巨大企業が個人情報を独占している典型的な例です。
しかしWeb3.0では、利用者自らがデータを管理・保有します。
広告を配信させずにサービスを利用したり、広告の視聴やデータの提供をする対価として報酬を受け取ったりすることも可能です。
企業と直接取引が可能
4つ目のメリットは、個人と企業との直接取引がかんたんになることです。
Web3.0時代のネットワーク接続は、仲介するサーバーを必要としません。
そのため、企業とユーザーが直接取引できるようになります。
これにより、さまざまな既存のビジネスモデルが崩壊する可能性があります。
たとえば金融業界では、今まで銀行がお金を管理する役割を担うことで、手数料を得てきました。
しかし、中央管理者を置かない Web3.0では、銀行の役割が不要となります。
このようなサービスが一般化すれば、これまで仲介者の役割を担っていた企業やサービスが不要となります。
結果として、そこへ支払っていた手数料などもなくなるでしょう。
この中央管理者の存在自体がなくなれば、手数料も不要になるというわけです!
また、個人が直接企業に自分の商品を売るようになれば、経済の仕組み(お金の流れ)も変わります。
クリエイターが仲介者に「中抜き」されずにお金を稼ぎやすくなれば、より創作や普及活動に専念しやすい、クリエイターファーストの環境が整う可能性があります。
完全な実力社会に
5つ目は、人によってはメリットに、別の人にとっては逆にデメリットにもなり得ることです。
それは、完全な実力社会になることです。
Web3.0 の特徴のひとつは「高い匿名性」です。
ホンモノの個人情報と紐づけずにさまざまなサービスを利用できるので、年齢や性別といった属性の影響を受けない「別人格」としてインターネット上で振る舞うことが可能になります。
その結果、これまで「女性だから...」や「若者のくせに...」という偏見や先入観によって受けていたデメリットが解消されるようになります。
そして「誰が言っているか?」でなく「何を言っているか?」だけが注目される、中身重視の世界になると予想されます。
これまで理不尽な思いをしていた人の下剋上が起こる「実力社会」になるというわけです。
Web3.0 の時代は、これまで程度の差はあれど確実に存在した属性によるマイナス影響を解消し、どんな人もフラットに評価される世界になるかもしれません。
以上、Web3.0のもたらすメリットと、それにより実現されると期待される未来についての解説でした。
Web3.0を体感できるサービスの紹介
さいごに、Web3.0を体感できるサービスを紹介します。
2022年現在、完全なWeb3.0モデルのサービスも組織も存在しません。
しかしWeb3.0の思想や特徴を取り入れた、「Web3.0的なもの」や「Web3.0っぽい」サービスはすでに存在しています。
ここでは、それらのサービスを5つ紹介します。
Web3.0的なサービス事例①:暗号資産(仮想通貨)
1つ目は、暗号資産(仮想通貨)です。
世界で最初の暗号資産であり、いまも最大の時価総額を誇るビットコイン(BTC)は、2008年に「サトシナカモト」と名乗る人物によって生み出されました。
ビットコインの発行や取引はブロックチェーン上で自動的にデータ処理されており、それを管理している人はいません。
この点がとても「Web3.0的」ですね!
従来、お金を発行する権限(通貨発行権)は、国・政府だけが持っていました。
ビットコインははじめてその常識を破り、個人がお金同様に価値のある資産を発行することに成功した事例なのです。
ビットコイン発明後はたくさんの暗号資産(仮想通貨)が開発され、いまや世界中に数千~数万ともいわれる数のコインが発行されているといわれています。
暗号資産(仮想通貨)の特徴や魅力は、実際に所有・取引してみるとわかってきます。
興味ある方は、取引所に専用口座を作ってみてください。
関連記事『仮想通貨・ビットコイン取引所の選び方|おすすめ12社ランキング』を参考に、お好きな取引所を選んでみてください。
仮想通貨・ビットコイン取引所の選び方|おすすめ12社ランキング
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数円~500円など、少額からコイン購入できるので、お試し感覚でやってみるとよいですね♪
Web3.0的なサービス事例②:DeFi
2つ目は「DeFi」です。
「Decentralized Finance」の略で、日本語では「分散型金融」と呼ばれています。
これは、ブロックチェーン上で取引処理を行う金融システムです。
従来の金融システム(銀行や証券会社、保険会社が運営する仕組み)では、
従来システムのデメリット
- 銀行口座を持たない人が世界に17億人もいる
- 銀行口座を持てないために仕事に就けない人もいる
- 国内⇄海外の送受金に日数と手間がかかる
- 金融機関に個人情報を渡す必要がある(不正利用・漏洩リスクあり)
- 取引時間や営業時間が限られている
などの問題点や不都合があります。
しかしDeFiサービスを使えば、
DeFiのメリット
- 銀行や証券会社の口座不要
- ウォレット(お財布)さえあれば、世界のどこへでも瞬時に送受金できる
- 銀行を介さず、お金の貸し借りができる(レンディング)
- お金を預けて利息をもらえる(ステーキング)
- お金のストックを準備しておく(流動性を提供する)ことで報酬をもらう(イールドファーミング)
といったことが可能になります。
DeFiの代表例は、分散型取引所(仲介役がいない仮想通貨取引所)の「PancakeSwap」です。
PancakeSwapには、管理者がいません。
また、ユーザーはMetaMask(メタマスク)などの仮想通貨ウォレットを持っていれば利用できます。
ウォレットは氏名や生年月日、住所、メールアドレスなどの個人情報不要で利用できるので、PancakeSwapの利用に個人情報はいりません。
つまりPancakeSwapでは、まったく個人情報を使わずに、お金のやり取りができてしまうのです。
いきなり利用するのはハードルの高いサービスですが、ぜひサイトだけでものぞいてみてください。
Web3.0的なサービス事例③:NFT取引サイト
3つ目は、NFT取引サイト(NFTマーケットプレイス)です。
ここでは、世界最大のNFT取引サイト「OpenSea」を紹介します。
OpenSeaをはじめて利用するときに少し驚くのは、利用開始時に個人情報(住所、氏名、年齢...etc)の入力が不要なことです。
OpenSeaでのNFT取引に必要なのは、ウォレット(仮想通貨を管理するお財布)のコード番号だけです。
ウォレットさえあれば、世界中の人たちを相手、完全に匿名の状態でNFT売買ができるのです。
そして、個人情報が取得されたり漏洩リスクにさらされる可能性はゼロです。
まだ利用したことのない方は、試しに一度、登録してみてください。
本当に個人情報不要です。
OpenSeaの登録手順は、『OpenSeaの始め方・使い方(登録~出品・購入)【完全ガイド】』を参照ください。
OpenSeaの始め方・使い方(登録~出品・購入)【完全ガイド】
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Web3.0的なサービス事例④:ブロックチェーンゲーム
4つ目は、ブロックチェーン技術を用いてつくられたゲームです。
いまや「P2E(Play to Earn)」や「GameFi」という言葉を生む、一大ムーブメントを起こしている分野です。
ゲーム内で獲得するアイテムやキャラクターをNFT化することで、ゲームの外でも価値の交換(現実世界のお金同様に交換すること)を可能にしているのが、ブロックチェーンゲームの特徴です。
匿名で登録してゲームをプレイでき、NFT(アイテム、キャラクターなど)の交換時にも個人情報は不要です。
それも、世界中の人々と一緒にプレイすることも可能です。
ゲームを遊んでNFTを獲得し、ゲームで獲得したNFTを現実世界で換金(売却)すればお金を手に入れることもできます。
楽しむだけでなく、仕事にもなり得るのが、Web3.0時代のゲームなのです。
関連記事『NFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)で稼ぐ方法』で、いま人気の最新おすすめゲーム10選を紹介しています。
気になるゲームがあればプレイしてみましょう!
NFTゲーム(ブロックチェーンゲーム)で稼ぐ方法|おすすめ最新ゲーム10選を紹介
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Web3.0的なサービス事例⑤:DAO
さいごは「DAO」です。
「Decentralized Autonomous Organization」の略称で、直訳すると「自律分散型組織」となります。
一般的には、「ダオ」と発音されることが多いです。
「サービス」ではありませんが、Web3.0を語るときに外せないものなので、ここで紹介しますね!
DAO とは、同じ目的を持つ人たちが資金を出し合い、共同で管理し、特定のプロジェクトに共同出資したり、独自のコミュニティを築いたりする組織です。
目的はさまざまですが、共通する特徴は、
- 意思決定を下す管理者(上司)が不在
- 参加メンバー全員が意思決定のための投票権を持つ
- 投票結果に応じて自動的に意思決定が執行される
- 貢献度に応じて利益配分される場合もある
などです。
DAOは、これまで400年以上続いてきた「株式会社」という組織形態を軸とした「資本主義」のあり方を、根本から変える可能性があります。
今後DAOによってビジネスが成立するようになれば、従来の株式会社に存在する「命令と服従の人間関係」や「組織ピラミッド構造」、「働きに見合わない報酬」などの悪弊は解消されていくかもしれません。
このDAOの取り組みを実践している組織が日本にあります。
それは、NFTプロジェクトの企画・運営などを行う「Ninja DAO」です。
Ninja DAOのコミュニティ内では日夜、CryptoNinjaをはじめとするNFTプロジェクトの運営に関する議論がされています。
創設者のイケハヤさん(@IHayato)は管理をするわけでなく、いちメンバーとして議論に参加し、他のメンバーと企画立案を行っています。
みんなが同じ立場から意見を言い合う世界です。
「フラット」(立場が平等)で「フェア」(公正・公平)なのが、DAOの特徴です。
NinjaDAOは、チャットツール「Discord」で参加できます。
しかしサービス内容は「Web3.0」的な要素がたっぷり組み込まれていますので、Web3.0をザックリ体験するには十分なはずです!
気になったものがあれば、ぜひお試しくださいね♪
今回は以上です。
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参考文献
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