あなたは海外の銀行口座に送金をした経験はありますか?
仕事でも私生活でも、海外送金を経験したほとんどの方はこんな感想・印象をお持ちだと思います。
- そんなに時間(日数)がかかるの!?
- そんなに手数料が高いの!?
そうです。
現在の海外送金は時間がかかり手数料が高く、非常に使い勝手が悪いのです。
こんな国際送金の問題を解決するプロジェクトを進めている暗号資産(仮想通貨)があります。
それが今回解説するリップル(XRP)なのです。
この記事で解決できるお悩み
- リップル(XRP)って何だろう? 詳しく知りたい
- 暗号資産(仮想通貨)の投資対象の選択肢の幅を広げたい(ビットコインの次の投資先を探したい)
この記事の結論
- リップル(XRP)は国際送金の問題解決のために生まれた暗号資産(仮想通貨)
- 複数の企業と提携しており、実用化と普及に向けて世界中が注目している
- リップルの仕組みを利用した便利な国際送金サービスが普及すれば、連動して通貨リップル(XRP)の値上がりも期待できる
この記事を読めば、リップルの特徴と将来性を理解できるでしょう。
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※この2社のどちらでもリップル(XRP)を売買できます。
リップル(XRP)とは?
(画像引用元:Ripple公式サイト)
リップル(XRP)は、従来の国際送金が抱える課題(時間がかかる、手数料が高い)を解決するために、2004年にアメリカの「Ripple Inc.」という企業によって考案・開発されました。
その後、2013年に配布が正式に開始された暗号資産(仮想通貨)です。
ちょっと注意!
日本では「リップル」を通貨名称として用いることが多いようですが、正式には「リップル」とは通貨名称ではありません。
リップル社(Ripple Inc.)が運営する銀行間送金向けの国際送金プラットフォーム「リップルネット(Ripple Net)」で使用される暗号資産(仮想通貨)のことを「XRP」と呼ぶのです。
ですから、通貨名称は「XRP(エックス・アール・ピー」です。
※この記事ではわかりやすさを優先して、便宜的にリップルを通貨名称として用います。
現行の国際送金は銀行や送金業者を経由して行なっており、次のような問題を抱えています。
・送金に時間がかかる
・手数料が高い
これまでの国際送金の場合、銀行や送金業者などを介しているので送金情報の伝達に時間がかかり手数料も余計にかかっていました。
さらに酷いケースとして、仲介業者のところで送金情報が止まってしまいいつまで経っても目的の口座にお金が振り込まれないといったトラブルも多数報告されています。
そのような問題を解決するために登場したのがリップルです。
リップルは後述する仕組み上の特徴によって高速データ処理が可能になっています。
国際送金が非常に早く完了するためユーザーの利便性が高く、また金融機関など仲介業者のコストも下がるため結果的に私たちユーザーが支払う手数料も下がる可能性があります。
まさに良いこと尽くしでメリットしかありません。
こんな便利な世の中の実現に向けて、金融機関を中心に世界中の企業がリップルとの提携・協業を行っています。
発行枚数の上限が2,100万枚であるビットコインに対して、リップルは1,000億枚を上限としています。他の暗号資産(仮想通貨)に比べても多い発行枚数となっています。
すでに1,000億枚すべてが発行済みで、今後追加で発行されることはありません。
リップル社は2017年時点で550億枚の通貨リップル(XRP)を保有しており、これを第三者機関に預託して毎月一定量を市場に売却(放出)しています。
ロックアップという仕組みを使って、勝手に売却量を変更できないようにしています。
これにより急激な供給量の変化がないため、今後のリップルの価格を安定化させる要因となっています。
リップルの特徴
リップルの仕組み面での特徴は大きく3つです。
- 中央集権的な管理
- ブロックチェーン技術は不使用
- マイニングなし
中央集権的な管理
通貨リップル(XRP)の取引に関わることやスペックの変更などについては、すべてリップル社の指揮下で行われます。
これは、管理者や代表者のいる「中央集権的」な管理体制下にあるということです。
ビットコインやをはじめ多くの暗号資産(仮想通貨)が明確な中央管理者が存在しない「非中央集権的」と呼ばれる管理体制を持ちます。
リップルはこれとは全く異なる(正反対の)管理体制で運営されているのです。
先述のように発行枚数の半数以上をリップル社が握って市場での流通量のコントロールをしている点も含めて、リップル(XRP)という通貨は発行・運営者であるリップル社の影響を大きく受けるという特徴があります。
ブロックチェーン技術は不使用
ビットコインなど大半の暗号資産(仮想通貨)は、「ブロックチェーン」と呼ばれるネット上の取引台帳に取引の履歴が記録されていきます。
一方のリップルでは、「XRP Ledger(XRPレジャー)」という独自の決済システム上に取引記録が蓄積されていきます。これは主に銀行などの金融機関や法人向けの台帳です。
このXRP Ledgerを使用することによって、リップルは早くて低コストの送金や決済を可能にしています。
それはデータ処理の承認作業量と承認時間が既存のブロックチェーンよりも少なくて済むからです。
ビットコインなどに利用されているブロックチェーンでは、取引のたびに不特定多数のマイナーと呼ばれる人達による承認作業が必要です。そしてその承認時間や作業は膨大です。
一方のXRP Ledgerではリップル社が管理・承認した少数のValidator(バリデーター)と呼ばれる人たちだけが承認作業を行います。
この承認方法は、PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)と呼ばれています。承認にはValidatorの80%が「取引が正しい」と判断してはじめて承認される仕組みとなっており、ブロックチェーンに比べてはるかに少ない作業量とコストで承認作業が完了します。
その結果、XRP Ledgerを利用しているリップルでは短時間で安い国際送金や決済処理が実現できるのです。
マイニングなし
暗号資産(仮想通貨)の世界では、取引を承認し報酬としてその通貨の新規発行分を受け取る一連の作業を「マイニング」といいます。
リップルでは、ビットコインなどで採用されているこのマイニング作業が不要です。
なぜなら先述の通り、リップルは発行上限枚数が1,000億枚と決められており、そのすべてがすでに発行済みだからです。
マイニングの報酬として支給される新規発行通貨がない以上は、そもそもマイニングを前提にしていない仕組みで設計されているのです。
リップルの将来性
国際送金が抱える課題を解決するために生まれたリップルは、非常に実用面が重要視される通貨です。
投機対象としての側面が強い他の暗号資産(仮想通貨)とは、少し異なる特徴を持っているといえます。
今後の価格動向は実用性の高まりに強く連動することが想定されます。
具体的には以下の3つのメリットが実現・普及するならば、今後値上がりする期待が持てるでしょう。
- 国際送金が低コストになる
- 送金がシンプルになる
- 世界中の金融機関と提携が進む
それぞれどのような内容なのか、順番に見ていきましょう。
国際送金が低コストになる
従来の国際送金は、SWIFT(国際銀行間通信協会)のルールに則っていたため、手数料が高く時間もかかっていました。
しかしリップルの金融システムを用いることによって、国際送金を1〜4秒といった短い時間で済ますことができます。
これはビットコイン での送金時間の約10分と比較してわかるように、他の暗号資産(仮想通貨)と比べても圧倒的に早いです。
送金が数秒で完了するようになれば、現在私たちが買い物や飲食店でカード決済するのと同じような感覚で手軽に国際送金手続きができるようになります。
こんな便利な世の中になれば、海外に住む家族や友人、取引先とのお金のやりとりにストレスを感じることはなくなるでしょう。
送金がシンプルになる
現在金融機関で海外への送金を行うときに高額な手数料を徴収されるのは、送金先の国の口座に着金するまでのあいだに「コルレス銀行」と呼ばれる中継役の金融機関を経由しなければならないからです。
海外の銀行同士には直接的なつながりがないことがほとんどのため、海外送金の際には銀行はSWIFTと呼ばれる国際的な銀行のネットワークを利用します。
このSWIFT送金で、送金銀行と受け取り銀行をつなぐ役割を果たすのがコルレス銀行(仲介銀行、中継銀行、経由銀行)です。
ちなみに「コルレス」はCorrespondent(通信員や遠隔地の取引先、対応するなどの意)の略です。
たとえば日本からアメリカへ送金するときには、円がドルに換算されるまでの間にコルレス銀行を経由します。
このコルレス銀行を経由するときに都度手数料がかかるため、送金手数料が高額となっているのです。
またコルレス銀行が休業のときには手続きが滞るため、場合によっては送金完了までに数日間という時間がかかってしまうことがあります。
しかし日本やアメリカを含む世界中の金融機関がリップルのシステムを利用すれば、リップルを仲介役にして海外送金の手続きができるようになります。
このように仲介役となる通貨を「ブリッジ通貨」と呼んだりもします。
ブリッジ通貨が介在することで「日本円→リップル(XRP)→米国ドル」というシンプルな流れとなるのです。
従来は中継していた銀行を省いて両国の金融機関同士が直接やりとりすることで、送金は数秒単位という短時間で終わり手数料は大幅に下がります。
世界中の金融機関と提携が進む
リップルが提供する送金ネットワーク「RippleNet」には2020年末時点で、世界40ヵ国以上にわたる300以上の金融機関が参加しています。
提携企業には三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友信託銀行など、超・有名な日本の大手企業も名を連ねています。
また出資企業には日本のSBIホールディングスのほか、GV(旧GoogleVentures)の名前もあります。時代の最先端を走るITネットワークの覇者もリップルには一目置いているようです。
提携においてこれほど実績のある暗号資産(仮想通貨)は他になく、それだけリップルの実用面での魅力と可能性が世界的に注目されている証といえるでしょう。
送金速度が速く手数料が安いリップルは、送金を手掛ける金融機関にとって非常に魅力的な存在です。
またビットコインのような管理者不在のシステムとは異なり、リップル社という法人によって管理されていることも採用を検討する企業に安心感を与えているようです。
今後これらの企業との取り組みが進展しリップルの仕組みが国際送金に活用されるようになれば、私たちの生活が便利になります。
そして、それに連動してリップルの通貨としての価値も向上することが期待できるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事ではリップルの特徴と将来性を解説してきました。ここで一度、整理しましょう。
リップルの特徴は以下の3点です。
- 中央集権的な管理
- ブロックチェーン技術は不使用
- マイニングなし
ビットコインをはじめとする他の暗号資産(仮想通貨)とは大きく異なる仕組みを持っていることが理解できたと思います。
そして将来性については、今後の価格を左右する要素として以下3つを紹介しました。
- 国際送金が低コストになる
- 送金がシンプルになる
- 世界中の金融機関と提携が進む
グローバル化が進むなか需要がさらに高まるであろう国際送金の分野で、圧倒的な利便性の高さを実現する可能性を秘めていることがお分かりいただけたと思います。
この期待感が反映されているように、リップルは世界的に非常に高い人気を誇ります。
2021年9月1日8時頃の時点では、すべての暗号資産(仮想通貨)のなかで「市場占有率は2.63%」、「取引量は6位」です。(ともに時価総額ベース)
(引用元:Coin Market Cap)
なお、ここまでの内容を簡潔に1分20秒程度でわかりやすくまとめた動画は以下です。
この記事を読んだ後の復習にどうぞ。(引用元:Coincheck公式ホームページ)
さて、ここまでリップルの特徴や将来性といったメリット部分は十分に伝わったと思いますので、最後にデメリットを含む投資の注意点にも触れましょう。
1つ目は「SWIFT(国際銀行間通信協会)の存在」です。
SWIFTは、現行の国際送金を一手に担っているベルギ「SWIFT(国際銀行間通信協会)の存在」ですーに本拠を置く非営利組織です。
リップルはこのSWIFTによる既存の国際送金システムにとって代わることを目指して開発された次世代型決済プラットフォームですので、SWIFTにとっては歓迎できる存在ではありません。
「既得権益を握るSWIFTとのシェア争いに勝利できるか?」が、リップルの便利な国際送金システムが今後普及するかどうかを左右する大きな要因となるでしょう。
いかにSWIFTより優れた送金システムであるかをアピールし、より多くの金融機関に導入してもらえるかが今後のリップルにとって大きな課題となります。
2つ目は「有価証券問題」です。
この問題は、リップルのように運営会社が存在する(つまり従来の法定通貨と同様に中央集権的である)暗号資産の場合、「その会社が金銭を得る目的で発行したものは、株や社債などと同じ ”有価証券" に分類されるのではないか?」という疑問に端を発した問題です。
もしその判断を決定する立場にあるアメリカの証券取引委員会(SEC)がリップルを有価証券と認めた場合、リップルは暗号資産取引所からは上場廃止される可能性があります。
現在は日本国内でも人気が高く多くの暗号資産取引所で売買可能なリップルですが、上場廃止となれば価格が急落するおそれがある点に注意が必要です。
以上2点のようなリスクもしっかりと理解しておくことが、投資するかどうかを検討するときには大切です。
有価証券問題も含めて、リップルの今度の動向を知るためにはリップルに関するニュースをこまめにチェックする必要があります。
企業との提携に関する情報なども価格に影響を与えやすいため、リップルの取引をしている方は見逃さないようにするとよいでしょう。
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